角田光代さんのエッセイ『月夜の散歩』を読了しました。角田さんの小説は読んだことがないのですが、エッセイは好きで、これまで何冊も読んでいます。エッセイというと読む人との相性が結構あるのですが、角田さんとはかなり相性がいいようです。小説の方も、人に聞くと面白いということなので、近々図書館で借りて読んでみようと思います。
今回読んでいて気になったのは、あとがきの部分に書いてある
重苦しかったり、何か考えることを強いたりする文章は書くまい
明日には忘れるようなどうでもいいことを書く
というところ。私のこのブログにピッタリだと思ったんです。これまで、このブログをどういうものにしようかということに、ゴチャゴチャと言及したことはあったのですが、同じような事をこれだけ的確かつ簡潔に表現できるもんなんだと、プロの技術に舌を巻いた次第でございます。
翻って、私のプロフェッションというと今のところ、某分野の研究ということになろうかと思うのですが(で、その中の担当がソフト開発である、と)、技術を見せて素人の人の舌を巻かせる機会は普通だとありません。ただ、会話の中でどんな仕事をしているか、どんな研究をしているかを聞かれた時に、わかりやすく説明できるようにはしています。
最低限それくらいはできないとと思っているのですが、これがあまり簡単でもないです。かの有名な物理学者、リチャード・ファインマンも似たことを言っていましたね。まあ、こんなすごい仕事してるんだぞとひけらかすようなことはしないのですが、聞かれたときにスラスラと答えるのが、せめてもの矜恃といったところでしょうか。