無頓着な松のショートエッセイ

いろんなことに無頓着な著者が、なんとなく思ったことをエッセイ風に書き連ねる雑記ブログです。何か感じるところがあったりしたら嬉しいですが、気軽に読んでもらったらと思います。


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星野博美『のりたまと煙突』読了

図書館で借りてきた、写真家の星野博美さんのエッセイ、『のりたまと煙突』を読みました。家族の話、猫の話、死別の話が多めの、日常エッセイで非常に読みやすく、結構熱中して読んだため、分量の割には早くに読み終わりました。

本書では、「これこれをしていたら、子供の頃にこれこれこんなことをしていたことを思い出した」という感じで進む話が結構あり、自分もそうやって昔話を書くことが多いため、勝手にシンパシーを感じたりしていました。

それにしても、この本では、色々な人や猫との色々な(永遠の)別れの話が出てきます。「これが最期の○○になった」というような記述もよくあります。優しい人や可愛い猫の最期はちょっと切なくなります。大仰に悲しむような書き方はしてないですけど、そのときの悲しみに思いを馳せたりします。

そのほか、子供の頃の親戚とのやりとりの話(この親戚も物故者多数)なんかも、昔の下町?の情感が出ていて面白かったです。時間的には私より10年くらい前で少し離れているし、東京と農村ではまた違いますが、なんか似たような郷愁を覚えたりしました。

星野さんがこれを書いたのは大体10年くらい前なので、まあ今の私と同じくらいの年の時。このくらいの年の時って、やっぱり急に昔を思い出したりするもんなのでしょうか。思い出した後は郷愁に浸るだけだったり、ある人は昔やった不始末の罪悪感にさいなまれてしまったり、そこら辺の反応は人それぞれあるかと思いますが、なんかそういうのが頭の中にわっと出てきてしまう時期なのかもしれません。私もそうですもん。

まあ、とは言っても星野さんと私では目の付け所や表現力なんかで天と地の違いがあるわけですけども。私のブログなんかとは違って、このエッセイはおすすめできます。発行されて10年経つのでちょっと時代背景なんかが今と違ったりはしますが、一度読まれてはいかがでしょうか。